あります。
遺言者が生きているうちに、指定された執行者が先に亡くなっていたなら、
なぜその時点で気づいて別の人に変えておかなかったのか?
知らなかったなんておかしくないか?
というのはおっしゃる通りです。
もし 執行者が無くなったことを 遺言者が知ったのであればその時点で
・遺言書を書き直す
・別の執行者を指定する
しているだろうと考えるのは普通だと思います。
しかし、現実には
「遺言者も執行者もお互いに高齢で 連絡を取っていなかった」
「執行者の死亡をその相続人等が知らせていなかった」
などの理由で、
遺言者が気づかないまま 執行者が亡くなっていた というケースが多々あります。
なぜそのような「想定外の事態」が起きてしまうのか、次のような理由が考えられます。
1. 遺言作成から何十年も経ち、疎遠になっていた
遺言書は50代や60代の元気な時期に書かれることも多いです。
その後、20年〜30年が経過する中で、
お互いに高齢になって年賀状だけの付き合いになったり、
施設に入所したりして、執行者が先に亡くなった事実が
遺言者に伝わらない(または遺言者が忘れてしまう)ケース
2. 執行者側の遺族が、遺言執行者であることを知らなかった
執行者に指定されていた人が亡くなった際、
その人の遺族(配偶者や子供)は、
故人が「他人の遺言執行者に指名されている」ことなど知らないのが普通です。
そのため、遺言者に対して「〇〇が亡くなりました」という連絡はいっても、
「遺言の執行者を変更してください」という話にはならず、
遺言者側も失念してしまうケース
3. プロ(弁護士や司法書士)に頼んでいたのに廃業・死亡していた
執行者を友人ではなく、信頼できる「個人の士業(弁護士など)」にしていたのに、
その先生が先に引退・死亡、あるいは事務所を閉鎖してしまったケース
法人(弁護士法人や信託銀行)ではなく「個人」を指名していた場合、
その人が亡くなれば当然、執行者はいなくなってしまいます。
遺言執行者が 先に亡くなっていた場合は、遺言はどうやって執行するのか?
結論からお伝えすると、
遺言執行者が亡くなっていても、遺言書自体が無効になることはありません。
遺言の内容や財産の分け方は、そのまま有効です。
なので、遺言の執行方法を改めて検討すればいいだけです。
方法1:家庭裁判所に「遺言執行者選任」の申し立てをする
遺言書に「遺言執行者でなければできない手続き」が含まれている場合や、
相続人同士の仲が悪く協力してくれない場合は、
裁判所に新しい遺言執行者を選んでもらいましょう。
方法2:相続人全員が共同して手続きをする(裁判所を通さない方法)
遺言書の中身が
「特定の不動産を特定の相続人に相続させる」
「特定の預金を特定の相続人に与える」といったシンプルな内容であれば、
遺言執行者がいなくても、相続人全員の協力で執行できるケースがあります。
注意点
ただし、銀行や法務局によっては
「遺言書に執行者の指定がある以上、執行者がいないなら裁判所で選任し直してください」と
手続きを拒否されるケースもありえます。
事前に各窓口へ確認することをお勧めします。
行政書士に相談すると他士業者より安いでしょう。
※ 相続人だけでは「絶対に」執行できないケース
遺言書の内容に以下の2点が含まれている場合は、
相続人全員が協力しても手続きができません。
必ず方法1(裁判所での選任)を行う必要があります。
子の認知(婚姻関係のない相手との間の子を、自分の子であると認めること)
相続人の廃除・取消(虐待などを理由に、特定の相続人から相続権を剥奪すること)
これらは法律上、遺言執行者しか手続きを行えないと定められているため、新執行者の選任が必須