https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-96970.pdf
建物買取代金請求事件(仮)(2026年8月28日の最高裁判決)
本案件の影響と注意点:
今回の最高裁の初判断は、
これまで「持分売買(訳あり物件の買い取り)」を
ビジネスとして行ってきた不動産業者や、
借地権付き建物の相続に直面する当事者にとって、
実務の前提を大きく覆すゲームチェンジャーとなりえそうです。
本判決が今後の実務にどのような変化をもたらすのか、具体的に解説します。
本案件が実務に与える影響:
1. 不動産業者による「共有持分の買い取りビジネス」のスキーム崩壊
これまで一部の不動産業者は、
親族間で揉めている借地上の建物の「一部の持ち分」だけを安値で買い取り、
地主に対して
「借地権の譲渡を認めないなら、借地借家法14条に基づいて時価で建物を買い取れ」
と迫る営業行為を行っていたようです。(そんな苦情をたびたび聞きますよね)
しかし、最高裁が
「一部持分だけの取得者には建物買取請求権を認めない」と判断したため、
地主を巻き込んで投下資本を回収するこの手法は完全に通用しなくなりました。
2. 地主側の圧倒的優位と「共有関係」からの解放
地主側にとっては、非常に有利な最高裁判断と言えます。
もし第三者に建物の持ち分を買い取られても、
地主は多額の買い取り資金を用意する必要がなくなりました。
また、望まない建物の複雑な共有関係(見知らぬ不動産業者と親族が混ざった状態)に
強制的に巻き込まれる不利益も回避できるようになりました。
3. 「共有物分割請求」の手続きが必須に(長期化のリスク)
最高裁は、
持分を取得した業者は「民法上の共有物分割請求を使える」旨を判決文に記しました。
これにより、持分を取得した業者等は
今後は地主ではなく、
建物の残りの持ち分を持っている「他の共有者(親族など)」に対して、
持分の買い取りや建物の競売を求める裁判(共有物分割訴訟)を起こすことが予測されます。
この手続きは解決までに年単位の時間がかかるため、
不動産業者にとっては資金が長期にわたり固定化するリスクを抱えることになりそうです。
不動産実務におけるまとめ:
安易な持分譲渡への警告:
相続等で借地上の建物を共有している親族側も、
自分の持ち分だけを安易に第三者(買取業者など)に売却しても、
業者が地主に圧力をかけることはできず、
結果として
親族間で泥沼の共有物分割裁判に巻き込まれる可能性があがったのかもしれません。
買取前のリスク精査:
借地上の建物の持分だけを買い取る場合、
「地主に買い取らせる」という最終手段が使えないため、
出口戦略(他の共有者が買ってくれるか、あるいは競売で処理できるか)を
不動産業者は極めて慎重にシミュレーションする必要があります。
「自分の持分だけ売る」の行き詰まり:
不動産の相続人が
「他の親族と話し合いたくないから、自分の持分だけ業者に売って終わらせよう」
と思っても、買い手が見つからないか、不当な安値でしか処分できなくなりそうです。
なぜなら、その不動産を購入した者が、その不動産を処分することが難しいから
標準地価のような適正な価格では売れず、割引かざるを得なくなるためです。
売れない土地を 共有するくらいなら、
遺産分割の時点で、特定の者が相続すべき と言えるのかもしれません。
当事務所は 不動産業者でもありますが、行政書士でもありますので
相続不動産の分割については、遺産分割協議書の作成もお任せください。
(PS.行政書士なので、
どのように遺産を分けましょう とか
相談者に有利になるように他の相続人と交渉する
といった非弁行為は絶対にしません。)
相続に強い鹿児島の行政書士:鹿児島中央ワイズ行政書士事務所:全国対応可能!📞099-801-1671
