https://news.yahoo.co.jp/articles/a7507d75bf88f38674237cfca6302a94e8b94a5c
東京地裁(舟橋伸行裁判長)の要旨:
宮崎県内の設計会社の建築士が2022年6月に
当該地域の規制の有無や手続きの確認のために市を訪れた際、
交付された書面には規制に関する記載がなかったと指摘。
市側が規制の説明をしていなかったと結論付けた。
東京地裁(舟橋伸行裁判長)が日南市の「口頭で説明した」という主張を
「不自然で採用できない」として一蹴した理由:
・当時窓口で対応した市職員は、
本来の都市計画や建築の担当者ではなく、
国定公園の法規制に関する知識が乏しい職員だった。
・「ほとんど建物が建てられないほど厳しい規制地」であるにもかかわらず、
手渡した公式書類に何の記載もしないまま、
口頭だけで正しい説明ができたとは到底考えられない。
=> 宮崎県日南市に約2億4600万円の賠償を命じる判決
訴訟までの経緯
原告(訴えた側):
東京都内のコンサルティング会社(国定公園内に建物を新築した施主)
被告(訴えられた側):
宮崎県日南市
裁判所:
東京地方裁判所
訴訟の提起:
原告は2021年に日南市伊比井の海岸近くに別荘の建築を計画し、
委託した設計会社を通じて日南市役所へ事前に法律や規制の確認を行った。
市から問題ない旨の対応を受け、
約300平方メートルの鉄筋2階建て別荘を完成させた。
しかし、現場は「日南海岸国定公園」の区域内
(自然公園法により原則として建築がほぼ不可能な場所)だったことが後から判明し、
宮崎県から建物の撤去(原状回復)命令を出された。
そこで原告は、
「建物が違法建築となり、解体・撤去せざるを得なくなったのは、
日南市が事前に法規制に関する適切な説明を怠ったため」として、
建築費用など計約2億6,500万円の損害賠償を求めて提訴。
双方の主張:
原告(東京都内のコンサルティング会社)Xの主張:
・市が発行した書類に記載がなかった
着工前の2022年6月に、
設計会社の建築士が日南市役所を訪れて土地の規制状況を正式に確認した際、
市から交付された公式な窓口の書面には、
自然公園法(国定公園)の規制に関する記載が一切なかった。
・市職員から説明は受けていない
市側からは国定公園の規制について何の説明も受けておらず、
市の案内ミスを信じて建築を進めた結果、
莫大な建築費用がすべて無駄(撤去)になる損害を被った。
そのため、確認漏れを起こした行政がすべての損害を補償すべきである。
被告(宮崎県日南市)Yの主張:
・口頭で確かに説明は行った
建築士が窓口に確認へ来た際、
対応した市職員は建築予定地が自然公園法で規制される地域に指定されていることを
口頭で必要な説明を行った
・書類の空欄だけで不説明とは言えない
書類への記載漏れがあったとしても、
窓口で口頭によるやり取りをしており、
行政側に賠償責任を負うほどの過失(注意義務違反)はない。
管理人の個人的感想:
日南市は 控訴予定です。(2026年9月4日時点)
不動産業者にしてみたらとても怖い判決ですね。
重要事項説明後 その書類に押印をもらっていても
書いていない部分があるから説明していない はずだ
と後から言われたら 取引が無くなってしまいかねません。
管理人は 高裁では判定は変わる(過失相殺?逆転勝訴?)とは思います。
「設計会社の建築士が日南市役所を訪れて」という点が気になって
判決文を確認したのですが、どうもこの建築士の方とは、
宮崎県宮崎市にある事務所に勤めている二級建築士の方のようでした。
宮崎市の建築士の方が
隣の日南市の国定公園には厳しい規制があることを知らないってことあるの?
建築士の方なら
日南市の国定公園だからこそ規制が厳しいこと をそもそも知っているのでは?
と感じたためです。
厳しい規制がある日南市の国定公園内で、
新たに300㎡の建築物を計画するのであれば、
設計者が建築可能性を調査するのが当然ではないでしょうか?
そもそも この建築士は、建築前に
国定公園を管理している 県に相談した と主張したのでしょうか?
普通の感覚なら、国定公園だから規制が厳しいから建てられない
と感じるような気がしますし、
そもそも県に確認しているならば 建物を建てる前に気付いていたはずでは?
※法的な手順:
自然公園法 の対象地域なので
本来 県に建設の許可を得てから、市に建築確認申請する という流れになります。
市だけに 説明責任があるのでしょうか?
県の許可もなく工事を実行したのであれば、そちらのほうが問題では?
また、裁判官は
・「ほとんど建物が建てられないほど厳しい規制地」であるにもかかわらず、
手渡した公式書類に何の記載もしないまま、
口頭だけで正しい説明ができたとは到底考えられない。
と指摘されたようですが、
ほとんど建物が建てられないほど厳しい規制地 であれば、
そもそも建てられないと考えるのが普通では?
また、
このコンサルタント会社って何のコンサルなんだろう?
経営コンサルタントだったら、
建物が建てられるかどうか調べる ことくらい 無意識でもするのでは?
建設コンサルタントだったら、
建物が建てられるかどうか調べているはずでは?
と頭の悪い管理人には 疑問符が次から次へと沸いてしまいました。
管理人が個人的に感じたこの事件の争点:This is my own Opinion.
だから「説明義務違反」だけでは足りない!
管理人が感じたこの事件の争点は
1.建築士は市に何を相談したのか
2.市職員はその相談に対して実際に何を答えたのか
3.その時点で市職員は自然公園法上の規制を認識していたのか
4.建築士には県への確認・許可申請をする義務・注意義務があったのか
5.県に確認していれば建築を回避できたのか
でした。そして最後に、
6.市の対応がなければ、この2億4600万円の損害は発生しなかったと言えるのか?
この判決は 高裁に持ち込まれますので、高裁の判決が出てから次の記事は書きますね。
国定公園の違法建築巡る訴訟(宮崎)? 1/2
判例
